4月8日に開催されたZEH説明会(東京会場)レポートのpart3です。
前回のpart2では、平成28年度からの新しい取り組みや昨年度と変更になっている部分を中心に紹介しました。
part3では、契約日についてやZEH申請後の変更ってどこまで出来るのかについて経験や説明会の質疑応答内容を補足して紹介していきます。
申請後に変更出来る内容を知っておけば、申請締切ギリギリになった時に、何を後回しにしても大丈夫か?という判断の参考になると思います。
契約日:1次公募開始後に・・・
ZEHに公募し、補助金を受けるには、前提として1次公募開始後に契約を締結する必要があります。同様の内容については、SIIのよくある質問にも記載されています。
https://sii.or.jp/zeh28/faq.html
Q2. 本補助金に係る契約行為を公募開始前に行った場合は、補助金の対象になりますか?
A2. 本補助金に係る契約行為を公募開始前に行った場合は補助金の対象とはなりません。
※「6.各種手続きについて」より
では、何をもって契約とするか?について質疑応答に上がりました。
この質問が当日の質疑応答の中で一番盛り上がった内容でした。
変更契約も対象??
契約行為というのは、基本的にハウスメーカーと行う請負契約(本契約)のことを指しています。しかし、当日の質疑応答では「変更契約」も対象という回答がSIIからありました。
が、この変更契約が補助金を貰うための不正な契約でないことが前提となります。
その場では、具体的な例は上がらなかったのですが、例えば、もともと家を建てるためにハウスメーカーと契約を行っていた。しかし、その後、ZEH公募が始まったので、ZEH仕様に変更すべく変更契約を締結する場合は認められるのではないでしょうか。
我が家は、公募開始前にとても契約なんてところまで行きついていなかったので、2年前は、契約時期についてあまり気にしていませんでしたが、ZEH補助金のことを知らず、先月契約しちゃったという方は・・・もしかしたら補助金貰えるかもと思われるかもしれません。
法律的な部分が絡みますので、変更契約にて申請を考えている方は、ハウスメーカー・SIIに一度相談してみるのがいいと思います。
ZEH申請後の変更について
ZEHは、基本的に申請時までに「インテリア」と「外構」以外はほとんど決める必要があると以前の記事にてご紹介しました。
実際に、ZEH申請を行うには、上記の内容まで決めていないと1次エネルギー削減率などを計算することが出来ないため、建てる家の仕様として決定する必要があります。
上記に「基本的に」と記載したのは、実は・・ZEH申請後に仕様を変更することも可能です。
ただし、いろいろ条件があり、変更するとなると、住宅性能の再計算等が必要なため、ハウスメーカーの協力なしに変更することは不可能です。
ZEH申請後に仕様変更するには?
ZEH申請後に、変更する際に絶対に守らないといけない事として「変更に伴う性能低下が発生しないこと」があります。もちろん、変更に伴って、補助金が減額される可能性はあっても、増額されることはありません。
当然、仕様変更後に住宅性能を再計算し、性能低下が発生していないことを証明する必要もあります。
当然ながら、性能が低下しないからと言って、SIIに相談なしに仕様変更することは出来ません。
我が家も、実はZEH申請後に複数の仕様変更を行いました。仕様変更した理由は、仕様変更ごとにあり、合計で4か所の変更を行いました。変更した内容は、以下の通りです。
- 窓の変更:アルゴンガス挿入タイプへの変更(Q値(UA値)性能改善のため)
- 太陽光発電の変更:設置容量の追加(再生可能エネルギー削減量を増やすため)
- 窓サイズの変更:窓サイズを縮小(Q値(UA値)性能改善のため)
- 居室変更:納戸から居室への変更(変更に伴う性能低下なし)
経験談:ZEH申請後の仕様変更順序
- ハウスメーカーと仕様変更について打ち合わせ
- 変更内容によって性能低下が発生するかしないかを確認
- ハウスメーカーからSIIに申請した内容を変更したい旨を連絡
- 仕様変更後の内容にて、住宅を再計算を実施し、変更後の住宅性能・変更したい理由を添えてSIIに速やかに申請
- SIIから承諾を得た後、ハウスメーカーと変更契約を締結
仕様変更の大原則である「変更に伴う性能低下が発生しないこと」であるため、当然ながら仕様変更は、発生させない方がいいです。例え、性能低下が発生しない場合でも、申請後に仕様を変更するには、膨大な事務手続きが発生します。
我が家の時は、まだZEH自体の認知度がそれほどまで高くなく、ZEHの年間申請数も1000件に満たない状態でした。そのため、変更を実施した際は、それほど時間はかからなかったです。
しかし、昨年度からZEH申請数が6倍以上に増加してため、仕様変更を行った場合、ハウスメーカー・SIIとも対応に非常に時間がかかってしまう可能性があります。
その後のスケジュールを考えても、なるべく仕様変更は避けたいですね、とは、言ってもやっぱり変更したい!と思う内容が出てくることはあると思います。その際は、なるべく早めにハウスメーカーに相談するといいと思います。
エアコン・リチウム蓄電池も変更可能
質疑応答にて、エアコンなどの家電やリチウム蓄電池のZEH申請後の変更についても話題に上がりました。
我が家が変更した内容は、住宅設備に関わる内容でしたが、性能が低下しないのであれば、エアコンやリチウム蓄電池もZEH申請後に変更することは可能です。
現時点で、SIIのHP上で補助金対応と確認出来るリチウム蓄電池が少ないことや、エアコンはモデルチェンジにより、ZEH申請時のモデルが入手出来なくなる可能性があります。
そのため、今後発売予定のリチウム蓄電池がまだHP上に登録されていない場合、一旦現時点で登録されているモデルにて申請し、その後変更することも可能です。
ただ、気を付けなればならないのは、申請後に製品を変更しても補助金は増えないということです。リチウム蓄電池は1kWあたり5万円の補助金が出ます。
しかも、小数点第一位まで有効です。
そのため、100W単位まで補助金が有効ですが、事後の変更では補助金額が増額されることがないため、最終的に導入しようと考えている製品と同じ容量にすることが重要です。
また、容量が減ってしまった場合は、補助金額が減額になりますのでご注意下さい。
また、仕様についてまだ決めきれていない場合は、次の公募に回すというのも一つの手です。
仕様変更が「性能低下を伴う仕様変更内容」だった場合
仕様変更を行う際は、変更箇所にて「性能低下が発生しないこと」とことが前提にあります。しかし、後からどうしても変更したい内容が出てきて、しかもその内容が住宅性能の低下を伴う内容だった場合でも、絶対に変更が不可能という訳ではありません。
その場合、仕様変更にて生じる住宅性能低下を、別の個所で性能改善し家全体にて、カバーすれば変更可能です。要は結果として、家全体の性能が下がらなければいいのです。
とは言え、デザイン性を高めるなど性能を下げる変更は比較的簡単ですが、その分をカバーするのは結構大変ですし、性能低下をカバーするために複数の変更が必要になってしまいます。
この、仕様変更が「性能低下を伴う仕様変更内容」だった場合については、当日の質疑応答内で、担当者がハッキリ答えてくれました。しかし、とてもデリケートな部分ですので、SIIへ必ず電話して確認してください。
疑問を感じたら、何でもSIIへ電話で問い合わせるのが基本です。住宅メーカーの営業さんが電話してくれると思います。
まとめ
part3では、契約行為やZEH申請後に仕様の変更が出来るのか?についてご紹介しました。ZEH申請が絡んでくると、どうしても時間的な制約が出てきてしまい、どこかで何かをえいっやーって感じで決めないといけないことが出てきてしまいます。
しかし、そうやって決めてしまった内容は後々気になって・後悔に繋がりやすいので、予め変更出来る内容を覚えておくと、少し安心して決めていくことが出来ると思います。
次回part4が説明会記事の最終回となります。平成28年度の加点要素となっている内容についてポイントを紹介したいと考えています。