11月22日、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業 調査発表会2016」を行いました。今年のZEHの採択率は60%程度ということでしたが、採択された方のスペックはどんなものだったのでしょう。また今回はどのあたりを狙ったら採択されるのでしょうか?
私たちもそうでしたが、ZEHの補助金をいざ申し込むとなって、安全とはもちろんメーカーさんも言いません。だから凄く不安でした。
「28年度のZEH」で交付された方の資料を見て、これからZEHで補助金を申請する方が、「少しでも自分自身でもこのラインで行こう!」とか判断の材料になり、メーカーさんと話ができること、不安にならずに済むと嬉しいです。
どんな仕様なら ZEH補助金 貰えるんだろう?
一次エネルギー消費削減率
再生可能エネルギーによる創エネルギー量を除いた一次エネルギー消費削減率が、P33に公表されています。こちらはビルダーベース。
出典:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業 調査発表会 2016
また、ビルダーでなく件数ベースで見ると(P54)、30-35%未満が最多なのは同じで、2,205件。でもそれ以外のグラフの山はビルダーベースと件数ベースでは違う様です。
出典:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業 調査発表会 2016
再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費削減率は?
またP55に掲載されたデータから、交付要件である「削減率100%」を少しだけ超える案件が多いのがわかります。削減率が高くなるにつれて件数は減少しています。
出典:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業 調査発表会 2016
交付された ZEHビルダーごとの外皮性能は?
ZEH調査発表会資料のP32-33あたりを見ると、ZEHビルダーごとの外皮性能を掲載しています。
まず、下の表から自分の地域を確認します。例えば「地域区分3」は青森・岩手・秋田になり、またこの地域のUA値は0.5以下となります。
もっと、細かく見るとこんな感じです。
これを踏まえて、P32-33を見ると面白いです。
下のグラフは 地域区分4-7(日本で人口の多いのは、地域区分4-7)
28年度のZEH補助金が交付されたZEHビルダーごとのUA値の平均値です。
一番右の棒グラフに注目します。ここがZEH基準の最低条件UA値0.60です。
UA値0.6ギリギリのビルダーも27.4%いる(4-7地域)
表を見ると、UA値でいうと補助金交付要件0.60以下ギリギリで補助金を交付されたZEHビルダーが、27.4%もいることになります。
この27.4%のビルダーが、ZEHの補助金を貰えたのか考えると、やっぱり加点なのかな。他の加点で他社と差をつけて補助金が貰えたと考えますが、どうなんでしょう。
安全を考え、UA値0.42-0.48以下が最多!
また、UA値でいうと、補助金交付要件の0.6から20%強化した、UA値0.42-0.48以下のZEHビルダーが最も多く、安全を考えここを狙い加点10点を貰ってますよね。
住宅メーカー・工務店も、ZEHで補助金が出なかったら、施主さんと絶対揉めるでしょう。そういうこともあって安全ラインを狙うのでしょう。
UA値で20%削減して加点を狙うか、UA値はギリギリでもその他の部分で加点を狙うか・・・方法はいろいろありますが、やはりなにかしら加点がないと厳しそうです。
グラフは見ての通りですが、0.3以下という凄いZEHビルダーも1.9%もいるんですね。
と、同様に地域区分1・2・3のグラフを見ると、自分の住んでいる地域ではどのあたりを狙ったらいいのか?手掛かりにはなりそうです。
あと、注目すべきは、この加点です。
まだ、ZEHの申請してない会社も多い
出典:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業 調査発表会 2016
この、ZEH調査発表会資料P31をみてみると、ZEHビルダー3,593件に対し、まだZEH補助金の申請を行っていないZEHビルダーも2,837社もあるそうです。これらは中小の工務店の可能性が高く、まだ加点10点が狙えますね。
ZEH申請は、一般工務店で前年比3.2倍増
出典:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業 調査発表会 2016
実際、26年度の補正予算と比べると、28年度のZEH申請状況は、ZEHビルダーのハウスメーカーで2社増え、一般工務店で386社増えています。(ZEH調査発表会資料P29参照)
だから、ZEHビルダーが初めて建てた1軒目で貰える加点、10点もまだまだ狙えそうです。
参考:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業 調査発表会 2016
https://sii.or.jp/zeh28/file/doc_1122.pdf
さいごに
いろいろ考えても、折角ZEH住宅建てるなら補助金が欲しいのは、私もほかの方も同じだと思います。
我が家は数年前に建てましたが、建築コストや導入した機器を考えたら何年したらペイするか微妙なところでもあります。
でも、家の中は以前の家と比べると気温差があまりないし、エアコンを使用しないで済む日も多い。万が一の災害の時は、エコキュートのタンクの水を使えるから数日は水の心配もないし、太陽光発電のおかげで冷蔵庫位の動力なんかは確保もできそう。
と、保険のつもりで考えると悪くない。
ZEH住宅を建てるなら、金額は必ずUPするでしょう。メーカーさんにのせられないように、自分の基準を決めるといいですよね。
また、私たちもそうでしたが、ZEHの補助金をいざ申し込むとなって、安全とはもちろんメーカーさんも言いません。だから凄く不安でした。
28年度のZEHで交付された方の資料を見て、これからZEHで補助金を申請する方が、「少しでも自分自身でもこのラインで行こう!」とか判断の材料になり、メーカーさんと話ができること、不安にならずに済むと嬉しいです。
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