ZEHの補助金の採択件数や採択方法については、これまで不透明だという意見も多かったのですが、平成29年度からは、もう少し明確になりそうです。またこれまで、特定のZEHビルダーに補助金が集中してるのでは?と思っていましたが、これからは「ZEH実績数」や「ZEH目標数」も加味して算出されることになるようです。
29年度ZEH補助金の採択方式について
採択方式は審査方式です。先着順ではありません。
審査に当たっての評価の方針は以下のとおりです。
基礎点
年間一次エネルギー消費削減率(再生可能エネルギーによる創エネルギー量を除く)
加点要素は?
各公募において事業規模を超える申請があった場合、下記の方針による評価の高い順に採択
1.外皮強化加点(下表の「外皮強化型ZEH」のUA値を満たすもの)
地域区分 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
UA値 | ZEH | 0.40 | 0.40 | 0.50 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | - |
UA値 | 外皮強化型ZEH | 0.30 | 0.30 | 0.30 | 0.40※ | 0.40※ | 0.50 | 0.50 | - |
※平成29年度事業は暫定措置として、4地域及び5地域については、UA値が0.50でも、外皮強化型ZEHとみなす。
2.木材利用による加点(外皮強化加点の内数として扱う)
3.登録を受けたWEBプログラム未評価技術による加点(加点上限を設定)
4.エネルギー計測について区分ごとの電力量使用計測を行う事業に対する加点
5.平成28年度事業(補正含む)及び本事業を通じて、初めて補助金を活用するZEHビルダー(申請はしたが、全数不採択であった場合を含む)に係る事業に対する加点
6.審査委員による加点(ZEHの建築計画の多様性に資するもの)
↑これらの詳細については、4/11以降の説明会以降明らかになると思うので、追記予定です。
ビルダーごと 1公募当たりの採択目安数を設定
また、特定の公募に、特定のZEHビルダーの事業が過度に集中することを防ぐため、個々のビルダーごとの一公募当たりの採択目安数を設定します。採択目安数を超えた事業(ZEH)については、採択順位が劣後します。
一〇工務店などばかりが採択されてしまうからでしょうか?とにかく一般ユーザーとしては朗報と言えるでしょう。
採択目安数については?
採択目安数は、ZEHビルダーのみに通知し、一般公表はしません。
ZEHビルダーの登録は、北海道の区分(A登録)と、北海道以外の都府県の区分(B登録)に分かれています。
A登録、B登録それぞれにおいて、以下の方法により設定。
以下の要素により算出値を求めることになります。
算出値:
(28年度の年間実績数)※1 × (29年度 ZEH普及目標 [%])
× (28年度 ZEH実績 [%]) / (28年度 ZEH普及目標 [%])※2 ※3※1 ZEHビルダー登録申請時に提出する年間の建築総数
※2 (平成28年度 ZEH実績[%]) / (平成28年度 ZEH普及目標[%])の上限は「1」とする。
※3 本事業において新規でZEHビルダーに申請したZEHビルダーについては、平成28年度 ZEH実績[%]及び、平成28年度 ZEH普及目標[%]がない場合(「0」の場合を含む)は(平成28年度 ZEH実績[%]) / (平成28年度 ZEH普及目標[%])を「1」として算出。
(注)平成28年度に登録を受けたZEHビルダーが平成28年度 ZEH普及目標を「0%」としていた場合、算出値は「0」となります。
算出値を、下表にあてはめて、1公募当たり採択の目安数が決まります。
算出値 | 1公募当たり採択目安数 |
0以上 1,000未満 | 50 |
1,000以上 2,500未満 | 125 |
2,500以上 5,000未満 | 250 |
5,000以上 | 500 |
参考例:採択目安数の計算例
計算例:
10,000件(28年度の年間実績数)×20%(29年度のZEH普及目標)
×10%(28年度のZEH実績)/10%(28年度のZEH普及目標)=2,000(算出値)
⇒1公募当たり採択目安数:125件と、なります。
と、このように特定のZEHビルダーの事業が過度に集中することを防ぐために計算式を設けたようですが、結果としてZEH実績が多ければ、採択の目安になる数も増えるので、ZEH普及に尽力している会社には優遇するということになるでしょう。
これから、来年度において
ZEHビルダーの評価制度が始まる?
ZEHビルダーのZEH普及への取り組みの加速を促すため、ZEHビルダーごとに取組状況を評価し、表示すること(星を付すること等)を検討しているそうです。
制度自体は、本年度を周知期間とし、平成30年度から運用したいと考えてるようで、消費者が住宅メーカーや工務店を選ぶときの目安になりそうです。
ミシュランのように星が〇個と、付くのかは不明ですが、私たち消費者にとっては有難いシステムとも言えそうです。
具体的には、以下の項目に関する取組状況を評価するようです。
- 平成29年度のZEHビルダー実績報告を行っている
- 平成29年度のZEHビルダー実績及び平成30年度以降のZEH普及目標を自社ホームページのトップまたはそれに準ずるページにて表示している
- 平成29年度にZEH(Nearly ZEHを含む)建築実績を有する
- ZEH普及目標について、平成29年度実績が平成29年度目標を達成している、又は平成29年度実績が50%以上を達成している
- ZEHビルダー実績報告の際にZEH及びNearly ZEHのUA値、並びにエネルギー消費削減率の分布の報告がある
さいごに
まだまだ、詳細は不明ですが、29年度のZEHの説明会は行かないとですね。昨年までとは違うものになりそうです。
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