大阪・うめきたで開催「エネマネハウス2017」見に行ってきました!

 

12月17日まで開催の「エネマネハウス2017」見に行ってきました。今回は大阪駅前・うめきたで第3回目の開催。大学と民間企業等の連携でZEHのモデル住宅を実際に建築し、住宅の環境・エネルギー性能の測定、またZEHの普及啓発を行うプロジェクトとなっています。学生たちの考えたZEH住宅はどんなものだったのでしょうか・・・・?

 

「エネマネハウス2017」

エネマネハウスとは?

”エネマネハウス”は、大学と民間企業等の連携により、ZEHのモデル住宅を実際に建築し、住宅の環境・エネルギー性能の測定・実証や、展示を通じた普及啓発を行うプロジェクト。

学生たちが机上だけでなく、実際にZEH住宅を建てるという面白いプロジェクトです。

これまでも、2014年東京ビッグサイト、2015年横浜みなとみらいにて開催してきました。今回は初の関西での開催でした。

イベントそのものは、2017年12月17日まで開催しています。

2017年度のテーマは、“LIFE DESIGN INNOVATION”

~住まい・コミュニティに多様な新しい価値を創造する~

 

本格的な少子高齢社会、人口減少社会の到来、環境制約のより一層の高まり、居住ニーズの多様化・高度化などの課題に対応して、快適・健康・省エネで、自然環境豊かな生活や、それを支える低炭素でレジリエントな社会システムを実現するため、建築デザイン手法やIoT、ビッグデータ等の先端技術の活用により、新しいライフスタイルや製品・サービスを提案し、住まい・コミュニティに多様な新しい価値を創造する。

文章にすると難しいのですが、ZEHの新しい価値を探すというのが目的の様です。

ホームページ:https://www.enemanehouse.jp/

参加大学は?

5グループが出展していました。

  • 京都大学
  • 近畿大学
  • 首都大学東京
  • 武庫川女子大学
  • 早稲田大学・芝浦工業大学

ひとつひとつ簡単に見ていきます。

京都大学

まちや+こあ:ZEHコアによる町家・コミュニティ再生モデルの提案

京都に多い今日町家をZEH住宅に改修し、このZEH住宅を地域のコミュニティの場所に使いましょうというプロジェクト。

町家の意匠は保ちつつ、高気密高断熱化、創エネルギーを実践。改修後も、建具の開閉によって風を通したい場所に効果的に風を取り入れ、また京都大学理学研究科による基礎研究の成果を実用化した断熱材「エアロゲル」を用いて、産学連携を図っているそうです。

たしかに京都のような土地も高く、狭小地において、ZEH住宅にするのは簡単なことではありません。また、京都は景観もうるさい場所で、コンビニも町や風な店舗が多いですよね。

そういう意味で京都ならではの研究だと思います。

どちらかと言えばZEHに不向きな土間が住宅の半分を占め、残りの半分には断熱材「エアロゲル」を用いてました。基本的には残りの部分でZEHを実現させる、という事かな。

ただ、この断熱材「エアロゲル」が凄くて、使い道が沢山あって面白いです。この住宅では、建具や土間にも利用しているそうですよ。

詳しくは:https://www.enemanehouse.jp/college/kyoto/

近畿大学

エネマネRハウス:窓辺のカートリッジとルームガーデンで生まれ変わるすまいとコミュニティ

既存住宅のリノベーションによって、既存の家を高断熱化しZEH住宅にする家。こちらも京都大学同様、改修するという事みたいです。

改修によって主要な生活空間が高断熱空間に限定され、エネルギー消費量を削減することができるそうです。またカートリッジという言い方をしていますが、ある一部分(カートリッジ)を付け替えを行うことによって、長く住み続ける家にしたいと考えている様です。

詳しくは:https://www.enemanehouse.jp/college/kindai/

首都大学東京

ZEH Village:アジア蒸暑気候下の町屋

沖縄や東南アジア等の蒸暑地域を対象とした、通風・日射遮蔽などを考慮したテラスハウス形式の住宅モデル。

屋根には、下から上への空気の流れをつくり出す通風塔を設け、同じような家が並び景観として美しく商店街などにも利用できる街並みになりそうです。

設備配管を集約しメンテナンスしやすくしているそうです。ZEH住宅は、将来的に海外に売り込むつもりでしょうし、年々酷暑になっている日本にも向いているかもしれません。

詳しくは:https://www.enemanehouse.jp/college/tokyo_metropolitan/

武庫川女子大学

キセカエハウス:伝統的住環境技術を用いた対話のしつらえ

住まいの「キセカエ」を可能とすることで、省エネルギーかつ健康で快適な住空間を実現。住まい手に省エネ行動を促す住宅のようです。

住宅には、「クラ(蔵)」「エン(縁)」の2つの空間があり、季節や天候に合わせて可動する断熱建具や、間仕切り、ルーバーなどのしつらえを柔軟に「キセカエ」し、室内環境を調整できるそうです。

可動式断熱建具というのは、面白い。

詳しくは:https://www.enemanehouse.jp/college/grad_mukogawa/

早稲田大学・芝浦工業大学

この郊外の片隅に:わたしと家の約80年のものがたり

築40年の工業化住宅の寿命を実質80年以上まで延命させる改修案だそうです。現代のニーズに応える住まいの可能性を模索したそうです。コンセプトは、祖母の家をリデザインすること・・・でしょうか?

1976年に建てた家を2017年の今、改修した。というのが根底にあり、我が家も1978年ころ建て、私たち夫婦がZEH住宅に建て替えたので一番この家が心にも響き、印象的でした。

改修時に、既存外壁を断熱補強するのではなく、高断熱の薄い新設壁を既存低断熱壁の内外を縫うように配置したそうです。

見た目もかなりインパクトがあり、大きな窓が印象的な家です。

床下にチャンバーを付けて換気するとか・・・昔、パナホームの見学に行った際に、床下は一年で一番温度変化がないよと聞いたことを思い出しました。

また、屋根の上のソーラーパネルが太陽の動きによって追尾するというのは、野立てのソーラーパネルに時々見ましたが、実際に家の屋根に載せてみよう!というのは初めて見ました。面白いですね。

まあ、これまでもエネマネハウスを作っている早稲田大学と、芝浦工業大学が建てているので、他の大学とどうしても違いを感じてしまいました。

頂いた冊子もなかなか美しく、綺麗にまとまっていました。

詳しくは:https://www.enemanehouse.jp/college/waseda_shibaura/

 

ZEHの取り組みのパネルなども展示

リアルタイムで各住宅の消費エネルギーや太陽光発電の状況も、もちろん見える。

その他にも、大阪市の展示コーナーもありました。大阪市の温暖化対策などもちょこっと触れていましたね。

さいごに

面白かったです。私にも記憶のある話ですが、学生って自分が良いと信じると世の中のニーズなんて無視して作ることが多いと思うんです。それが学生だし、自由だなと思うのです。

時代のニーズを汲んでコンセプト考えたはずだろうに、何かが違うかな・・・と思う学校もありましたが・・・・。でも、どの学校もしっかり形になっていて、未来は明るいなあと感じました。

私は批判できる立場でもないので、面白い!とか凄い!としか表現できませんが、ここに出展した大学のように、いろいろなタイプの切り口でZEHが実現出来たら本当に良いですよね。楽しみです。

 

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