ZEH(ゼッチ)という言葉ばかり当サイトも先行して書いていますが、「ZEHロードマップ」の「ZEHの定義」についてあまり触れてきませんでした。この「ZEHロードマップ」における「ZEHの定義」という言葉はこれから色々なところで目にしたり、耳にすることもあると思います。私も良く分からないこともあったので、今一度整理したいと思います。
ZEHのロードマップというのは、そもそも何?
はてはて、何のことだ?と思います。
ZEHのロードマップというのは、国(経済産業省)が作ったZEHを普及させるための工程表のことです。ここに「ZEHの定義」も明記されています。
まず、そもそもZEHとは、こうあります。(経済産業省のホームページ)
ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは?
「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。
固すぎる文章でよくわかりません。
色々なところに出てくるZEHロードマップの「ZEHの定義」
以下は、ZEHの補助金の定義に書かれている文章の抜粋です。赤い字に書いてある言葉を読むと・・・ZEHロードマップにおける「ZEHの定義」と書かれています。
以下の要件を全て満たす住宅であること。
① ZEHロードマップにおける「ZEHの定義」を満たしていること。
1) 住宅の外皮性能は、地域区分毎に定められた強化外皮基準(UA値)以上であること。
2) 設計一次エネルギー消費量は、再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から25%以上削減されていること。
3) 太陽光発電システム等の再生可能エネルギー・システムを導入すること。
売電を行う場合は余剰買取方式に限る。<全量買取方式は認めません>
4) 設計一次エネルギー消費量は、再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上削減されていること
ZEHの補助金の要件には必ず登場する言葉、ZEHロードマップにおける「ZEHの定義」って何だろう・・・これを調べなくては!となりますね。
まず、ZEHロードマップやZEHの定義を考える前に、なぜZEHと言い始めたかを考えてみようと思います。
なぜZEHと言い始めたか?
背景には、地球温暖化問題などがあります。
日本は発展し豊かになりました。そのなかで産業部門は省エネを頑張っているのに、民生部門(家庭のこと)の省エネは進んでいなかったので、国は、家庭部門のエネルギー消費状況に注目しました。
調べてみると、2013年度におけるシェアは動力・照明(36.1%)、給湯(27.6%)、暖房(25.3%)、厨房(8.5%)、冷房(2.5%)と分かったそうです。
↑増加傾向だったものが、今は横ばいという感じです。
そして核家族が増え、世帯ばかりは増えていっている・・・そういう現状もあるようです。世帯が増えるのは止められないから、せめて自家消費にシフトして貰おう!と考えているように思えます。
CO2を減らす社会を考えたとき、国は家庭部門においては、ZEHを普及させようと考えたわけです。
そういった背景もあり、住宅でのエネルギー消費を極⼒抑え、災害時でもエネルギー的に⾃⽴した住宅として、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)が注⽬されているのです。
詳しいく知りたい方はこちらも
ZEHのロードマップによると、ZEHとは?
ZEHのロードマップによると、ZEHとは・・・こうあります。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは
ZEHは、快適な室内環境を保ちながら、住宅の⾼断熱化と⾼効率設備からできる限りの省エネルギーに努め、太陽光発電等によりエネルギーを創ることで、1年間で消費する住宅のエネルギー量が正味(ネット)で概ねゼロ以下となる住宅
「エネルギー基本計画」で、ZEHの実現・普及⽬標が決まった
2014年、国の「エネルギー基本計画(2014年4⽉閣議決定)」で、ZEHの実現・普及⽬標が設定されています。
① 2020年までに、標準的な新築住宅でZEHを実現
② 2030年までに、新築住宅の平均でZEHを実現
この⽬標を達成するために、
(1)ZEHの定義・評価⽅法、(2)ZEHの普及⽅策を検討することを⽬的として、⼤学教授やハウスメーカー・⼯務店の担当者等で構成されるZEHロードマップ検討委員会を設置。
現在も新しいZEHロードマップが制作されている途中です。
意見を募集していたのが最近なので、まだ途中だと思います。新しいZEHのロードマップはこちらから。2018年 3/23現在 ZEHロードマップフォローアップ委員会とりまとめ(案)
話は戻りますが、ZEHの定義・評価⽅法(課題)が必要ということで、ZEH定義やZEHの基準を考えたそうです。
理由としては、明確なZEHの定義、⽬標設定がないことから、ハウスメーカー・⼯務店等にとってはZEHをアピールできない。消費者側にとってはZEHの理解が進まないのが現状。
また、ZEHをどのように評価するのかなども問題になり、以下を考えた結果、ZEH定義やZEHの基準を決めたそうです。
- 設計段階、運⽤段階のどちらで評価されるのか
- どのような住宅が対象となるのか
- 壁や屋根等の断熱はどこまで必要か
- どの設備が対象になるのか(暖冷房、照明、給湯・・・)
- 太陽光発電をたくさん載せてもよいのか、余剰電⼒はどのように評価されるのか
- どうすれば⽬標を達成したことになるのか
- 「2020年までに、標準的な新築住宅でZEHを実現する」の「標準的な新築住宅」とは
- ハウスメーカーや⼯務店等はどの程度努⼒すればよいのか
ZEHの定義とは?
①躯体を高性能化し、⾼断熱基準をZEH基準として設定
省エネ基準を強化した⾼断熱基準をZEH基準として設定
将来的に住宅分野における省エネを確保し、優良な住宅物件を形成するために、まずは躯体の⾼性能化をしましょう!ということ
地域ごとに外⽪平均熱貫流率(UA値)というものでZEH基準を決めてます。例えば東京なら地域 6で、UA値0.6になります。躯体の⾼性能化をするにあたり、このZEH基準をまずクリアしましょう!ということになります。
躯体というのは、家の床や壁、梁など建物の構造を支える骨組のことを指します。高性能な断熱材や、高断熱な窓を使いましょうということです。
実は、ZEHは躯体が一番大事です
どのセミナーやどの会社で話を聞いても、必ず言われるのは「躯体が一番大事だよ」という話です。躯体が良ければ、エアコンの効きも良くなるので、躯体って本当に大事だと私も思います。
ZEHの「⾼断熱基準」を満たした上で、快適な室内空間を保ちながら、エネルギーを上
⼿に使うためには、空調設備、換気設備、照明設備、給湯設備等の⾼効率化が重要です。
②空調設備、換気設備、照明設備、給湯設備等の⾼効率化
省エネ基準よりも20%以上の省エネをZEH基準として設定
躯体を⾼断熱化したあとは、空調設備・換気設備・照明設備・給湯設備等の効率をあげ、省エネ基準よりも20%以上の省エネをZEH基準としましょう!ということ。
計算⽅法は省エネ基準を使いますが、20%省エネの対象は、空調・給湯・換気・照明設備のみ。電気を使うものすべてではない。
空調設備・換気設備・照明設備・給湯設備等はZEHに必要な設備とされ、これらは導入しないといません。
③太陽光発電等でエネルギーを創り、正味でゼロ・エネルギー
太陽光発電等でエネルギーをつくり、正味でゼロ・エネルギーにする。
正味で100%省エネを達成したものをZEH
①⾼断熱基準、②設備の効率化で20%以上省エネをしたうえで、太陽光発電等でエネルギーを創り、正味でゼロ・エネルギーにするのがZEH基準としましょう!ということ。
ただし、屋根が⼩さい・⽇射が当たりくい住宅もあるので、エネルギーを創ることに限界がある家は、同じ評価で不公平ですよね。Nearly ZEHといって正味で75%省エネというものも認められています。
今年は、再生可能エネルギー未導入でも可能な ZEH Orientedも導入されます。
ZEH・Nearly ZEH・ZEH Orientedの違いは?
ZEH・Nearly ZEH・ZEH Orientedの違いは?ここまで見てきたZEHの基準①・②を満たしたうえで、太陽光パネルの創エネ部分の違いだけです。
- 正味で100%省エネ達成→ ZEH
- 正味で75%省エネ達成→ Nearly ZEH
- 再生可能エネルギー未導入(ゼロ)→ZEH Oriented
さいごに
現在も新しいZEHロードマップが制作されている途中です。
意見を募集していたのが最近なので、まだ途中だと思います。新しいZEHのロードマップはこちらから。2018年 3/23現在 ZEHロードマップフォローアップ委員会とりまとめ(案)
この新しいZEHロードマップについては決まって、公開されたら追記しようと思います。
またこちらに随時情報がUPされています。
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/zeh/
こちらの記事もいかがですか?