どのエコ給湯器がお得?ZEHに向いた給湯器はどれか?【省エネ給湯器を比較】

ZEH住宅に、なぜ高効率な給湯器が必要なのか?じつは家庭で使うエネルギーは年々増加傾向で、住宅分野でのCO2排出量は、1990年代と比較すると26.9%増と増えているんです。給湯器は冷暖房設備と並び、家の中でエネルギーを使う機器のひとつ。給湯器を省エネタイプにすることは、とても重要なんです。また30年のZEH補助金、ZEH+補助金に必要な要件も載せたので参考にして下さい。

ZEH住宅に なぜ高効率な給湯器が必要なのか?

私たちに嬉しいのは、エネルギーやCO2排出量を大きく削減するだけでなく、光熱費が従来のガス給湯器と比べると安いことです。またエコキュートなら電気でお湯を沸かせますので、ガスの契約も不要になります。

使わない手はないです!!では、高効率給湯器とはどんなものでしょう?

高効率給湯器とは?

高効率給湯器とは?従来のものに比べてエネルギー消費率が優れているものを指します。ただし従来の給湯器(瞬間型ガス給湯器)に比べて設備代は高いです。

しかし、エネルギー効率がいいためガス・電気の使用量は減ります。結果的に二酸化炭素排出量が少なくなり、家庭にも世の中にも優しいのです。

さて、高効率(エコ)給湯器というと、エネファーム ・エコウィル ・エコジョーズ ・エコキュート など。なんか名前も似ていてよくわかりませんよね。

では、これら給湯器について特徴や違いを見ていきたいと思います。

エネファーム

エネファームは、ガスを使って発電し、発電時に発生する熱を使って、お湯も一緒につくり出すとってもエコなシステムです。

エネファームがつくった電気とお湯は家の中で使用され、エネルギーを無駄なく使います。電気は家電製品に使い、お湯は給湯に使えます。

じつは、発電所から電気と一緒に大量の熱が出ます。熱は、仕方なく海や大気中に捨てられています。家庭でエネファームを使えば、その熱も利用するので省エネにも貢献できます。

エネファームの仕組み

参考:http://www.gas.or.jp/gas-life/enefarm/

 

家庭用燃料電池コージェネレーションシステム:エネファーム

エネファームとは?(ダブル発電)
「エネファーム」は、都市ガス・LPガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、発電した電気は家庭内で利用します。その際に出る熱も給湯に利用します。電気をつくる場所と使う場所が同じであるため送電ロスがなく、また発電時に出る熱を無駄なく活用できる環境に大変やさしいシステムです。

動力:ガス
エネルギー効率:約80%~95%
発電能力:あり
給湯能力:あり
貯湯タンク:あり
販売価格:170万円前後

設備なので耐久年数、メリット・デメリットも気になりますよね。調べてみました。

「エネファーム」のメリット・デメリットは?

メリット

・停電時にも自立運転が可能(一部製品)
・まだまだ国や自治体の補助金制度が受けられる
・発電した電力を使えるため、電気料金の削減につながる
・燃料電池を採用しているため、発電時に騒音を出さない
・ガス会社によっては優待プランがある

デメリット

補助金制度があってもそもそも価格が高い
発電した電力を電力会社へ売電できない
寿命は最長で20年ほど(平均10-15年)

「エネファーム」の耐久年数はどうなの?

耐用年数(寿命)は、最大で20年間と言われています。

エネファーム どんな家に向いてる?

またエネファームには湯切れの心配がありませんので、家族で不規則にお風呂に入る人がいる方、待機電力使用が多い家も向いています。(お湯をよく使う、中学生・高校生がいる家庭向き)

運転音は40dB程(図書館並みの静かさ)なので、家と家が隣接している方にも向いていそうです。マンションの設置も可能です。

「30年度ZEH補助金」対応は?

該当しません:エネルギー消費性能計算プログラムにおいて選択可能な機種であること。


平成30年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金
(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等による住宅における低炭素化促進事業のうちZEH支援事業)

と書かれています。エネファームは、30年度ZEH補助金で補助金対象の機器ではありませんが、導入する際は、エネルギー消費性能計算プログラムにおいて選択可能な機種を選びましょう。

「30年度ZEH+補助金」対応は?

ZEH+では、「外皮性能の更なる強化」「高度エネルギーマネジメント」「電気自動車の充電設備」から2つ選ぶ必要があります。

高度エネルギーマネジメントを選んだ場合は以下が条件

・「ECHONET Lite」規格の認証登録番号を取得していること。
・APPENDIX ECHONET機器オブジェクト詳細規定Release C以降に準拠していること。
・「ECHONET Lite AIF認証を取得している(別体のECHONET Liteプロトコル対応アダプターを併せての認証取得も可)」もしくは、「ECHONET Lite AIF認証で相互確認を必須化されているプロパティについて、HEMSコントローラから通信制御可能であることを機器メーカー等により自己確認がなされていること」


平成30年度 省エネルギー投資促進に向けた支援補助金 (住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業のうちZEH+実証事業)

 

エコウィル

エコウィルは、エネファームとよく似た省エネ機器で、給湯機能に発電機能がついています。できることもよく似てて、つくったお湯は、給湯のほか、床暖房やミストシャワーに利用可能です。

エコウィルの仕組み


参考:http://www.gas.or.jp/collabo/defactken/myhome/index.html

 

家庭用ガスコージェネレーションシステム:エコウィル

エコウィルとは?(ダブル発電)
「エコウィル」は、ガスコージェネレーションの一種で、家庭用に開発された、ガスを燃料にして発電と給湯を行うシステムです。エコウィルの発電方法は、ガスを燃料にして、ガスエンジンを使って発電します。

動力:ガス
エネルギー効率:約85%~92%
発電能力:あり
給湯能力:あり
貯湯タンク:あり
販売価格:70-80万円

設備なので耐久年数、メリット・デメリットも気になりますよね。調べてみました。

「エコウィル」のメリット・デメリットは?

メリット

・停電時自立運転機能搭載の機器は、停電時も約1kWの発電ができる
・だ国や自治体の補助金制度が受けられる
・発電した電力を使えるため、電気料金の削減につながる
・ガス会社によっては優待プランがある
・エネファームと比べると半額ほどで導入可能

デメリット

・3年ごとの定期点検は必須(6200時間)
・発電した電力を電力会社へ売電できない
・寿命は最長で20年ほど(平均10-15年)
・ガスが供給されていないと動かない

「エコウィル」の耐久年数はどうなの?

耐用年数(寿命)は、10年間は持つと言われています。そのあとはその家の使い方次第です。

エコウィル どんな家に向いてる?

メーカーが推奨のエコウィルに向いている家は、たくさんお湯を使う家(お風呂好きの方、中学生・高校生がいる家庭向き)。またマンションの設置は難しいです。

少量のお湯しか使わない家では、すぐ発電が止まってしまいます。(タンク内のお水を73~75℃まで沸かしたら、自動的に運転が止まる)

また夏場よりも床暖房に必要な冬にこそ力を発揮します。

30年度ZEH補助金対応は?

該当:熱源機、貯湯タンク及び、その据付け工事費のみ補助対象とする。

ガス発電ユニットのJIS基準(JIS B 8122)に基づく発電及び排熱利用の総合効率が、低位発熱量基準(LHV基準)で80%以上であること。


平成30年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金
(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等による住宅における低炭素化促進事業のうちZEH支援事業)

と書かれています。エコウィルは、30年度ZEH補助金で補助金対象の機器です。

「30年度ZEH+補助金」対応は?

ZEH+では、「外皮性能の更なる強化」「高度エネルギーマネジメント」「電気自動車の充電設備」から2つ選ぶ必要があります。

高度エネルギーマネジメントを選び、もしも、給湯器をエコウィルを選んだ場合は追加要件はありません。

参考:SIIのホームページ

 

エコジョーズ

エコジョーズは、排熱を再利用して、お湯を効率よく沸かす給湯器。他の高効率給湯器より安価で、従来のガス給湯器と大きさが変わらず、比較的狭いスペースに取付け可能です。従来のガス給湯器を改良して、熱効率を95%にまで高めた優れものです。

エコジョーズの仕組み

参考:http://home.tokyo-gas.co.jp/living/bathroom/onsui/ecojozu/index.html

エコジョーズの導入で気をつけたいポイント

タンクがないのが「エコジョーズ」。同時給湯がどれだけできるかで給湯機能を選ぶ必要があります。号数(給湯器のお湯をつくる能力は「号」で表される)が小さいほど給湯能力が小さい。目安は4人家族なら24号と言われています。

 

潜熱回収型ガス給湯器:エコジョーズ

エコジョーズとは?
「エコジョーズ」は、少ないガス量で効率よくお湯を沸かす省エネ性の高い給湯器。今までの給湯器と違って、排気熱を上手に活用します。エコジョーズは、今まで使わずに捨てられていた排気熱を有効に利用し、あらかじめ水を温めるので、従来よりも少ないガス消費量でお湯が沸かせます。

動力:ガス
エネルギー効率:約95%
発電能力:なし
給湯能力:あり
貯湯タンク:なし
販売価格:25-30万円

設備なので耐久年数、メリット・デメリットも気になりますよね。調べてみました。

「エコジョーズ」のメリット・デメリットは?

メリット

・瞬間式の給湯器で湯切れは起きない
・エネファームやエコウィルより安く設置可能
・ガス使用量を削減できる
・ガス会社によっては優待プランがある

デメリット

・排気に微量の酸性物質を含むため、アルミサッシが腐食することも※
・ドレン配管工事が必要
・エネファームやエコウィルより節約できない(ただし導入金額は安い)
・電気は創らない

※アルミサッシの腐食についてはこちら YKK-APのサイト

他のサイトなども調べましたが、この事例はガス給湯器全般に該当します。(エコジョーズには時々起きる事例)

「エコジョーズ」の耐久年数はどうなの?

耐用年数(寿命)は、10年間は持つと言われています。そのあとはその家の使い方次第です。

エコジョーズ どんな家に向いてる?

狭い場所にも設置可能でどんな家にも向いていると思いますが、電気は作りません。

デメリットにも書いたように、もくもくと湯気が出ます。隣の家と隣接している場合は、エコジョーズの設置を気を付けるべきです。お隣の家のサッシが腐食してからでは遅いです。

30年度ZEH補助金対応は?

該当:熱源機、貯湯タンク及び、その据付け工事費のみ補助対象とする。

・エネルギー消費効率が94%以上(暖房給湯兼用機にあっては93%以上)であること。


平成30年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金
(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等による住宅における低炭素化促進事業のうちZEH支援事業)

と書かれています。エコジョーズは、30年度ZEH補助金で補助金対象の機器です。

「30年度ZEH+補助金」対応は?

ZEH+では、「外皮性能の更なる強化」「高度エネルギーマネジメント」「電気自動車の充電設備」から2つ選ぶ必要があります。

高度エネルギーマネジメントを選んだ場合は以下が条件

・「ECHONET Lite」規格の認証登録番号を取得していること。
・APPENDIX ECHONET機器オブジェクト詳細規定Release C以降に準拠していること。
・「ECHONET Lite AIF認証を取得している(別体のECHONET Liteプロトコル対応アダプターを併せての認証取得も可)」もしくは、「ECHONET Lite AIF認証で相互確認を必須化されているプロパティについて、HEMSコントローラから通信制御可能であることを機器メーカー等により自己確認がなされていること」


平成30年度 省エネルギー投資促進に向けた支援補助金 (住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業のうちZEH+実証事業)

 

エコキュート

エコキュートは、ヒートポンプを動かして家庭で使うお湯を効率的につくる機器です。ヒートポンプは、外気から取り込んだ熱に圧力をかけて高温にして、その熱でお湯を沸かす技術。(エアコンや冷蔵庫にも活用されています。)

2016年の時点で500万台販売され、2030年度までに1,400万台の普及を目標に掲げられているそうです。

エコキュートの仕組み

参考:http://sumai.panasonic.jp/hp/5qa/5_1b.html

 

家庭用ヒートポンプ式給湯器:エコキュート

エコキュートとは?
「エコキュート」は大気の熱を利用してお湯を沸かす、自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯器。動力は電気で、『エコキュート』が採用している自然冷媒は、従来のフロン系冷媒と違い、オゾン層にダメージを与えず、地球温暖化係数もフロン系の約1,700分の1と環境に優しい機器です。

動力:電気
エネルギー効率:約300% エコキュート
発電能力:なし
給湯能力:あり
貯湯タンク:あり
販売価格:50-60万円

設備なので耐久年数、メリット・デメリットも気になりますよね。調べてみました。

「エコキュート」のメリット・デメリットは?

メリット

・電気代の安い深夜電力を利用すれば、光熱費が安くすむ
・断水時にもタンク内の水を使える
・ガス代が高い場合はオール電化にする方がメリット大

デメリット

・使いすぎると湯切れが起こる
・低周波騒音が少なからずある
・外気の寒い冬は効率が下がり、光熱費UP

「エコキュート」の耐久年数はどうなの?

耐用年数(寿命)は、10年と言われています。そのあとはその家の使い方次第です。

エコキュートは どんな家に向いてる?

動力は電気なので、オール電化の家に設置します。ガス漏れや、ガスの不完全燃焼の心配もないので高気密化、高断熱化されたZEH(ゼロエネルギー住宅)に向いています。

30年度ZEH補助金対応は?

該当:熱源機、貯湯タンク及び、その据付け工事費のみ補助対象とする。

・貯湯缶が一缶のものに係るJIS基準(JIS C 9220)給湯機に基づく年間給湯保温効率・年間給湯効率が3.3以上であること。貯湯缶が多缶の場合は3.0以上であること。
・上記に関わらず寒冷地(1・2・3地域)の場合は年間給湯保温効率・年間給湯効率が2.7以上であること。


平成30年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金
(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等による住宅における低炭素化促進事業のうちZEH支援事業)

と書かれています。エコキュートは、30年度ZEH補助金で補助金対象の機器です。

「30年度ZEH+補助金」対応は?

ZEH+では、「外皮性能の更なる強化」「高度エネルギーマネジメント」「電気自動車の充電設備」から2つ選ぶ必要があります。

高度エネルギーマネジメントを選んだ場合は以下が条件

・「ECHONET Lite」規格の認証登録番号を取得していること。
・APPENDIX ECHONET機器オブジェクト詳細規定Release D以降に準拠していること。
・「ECHONET Lite AIF認証を取得している(別体のECHONET Liteプロトコル対応アダプターを合わせての認証取得も可)」もしくは、「ECHONET Lite AIF認証で相互確認を必須化されているプロパティについて、HEMSコントローラから通信制御可能であることを機器メーカー等により自己確認がなされていること」


平成30年度 省エネルギー投資促進に向けた支援補助金 (住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業のうちZEH+実証事業)

 

さいごに どの給湯器が一番良い?

どの給湯器が一番良い一番いいのでしょうか?

「それぞれの家庭の使い方による」と思うので1番を決めるのは難しいです。

エネファームは、まだまだ高いので元が取れるかシュミレーションしたほうが良いですが、施工会社のキャンペーンなどもよく見ますので、安く導入できるなら私は設置したいですね。

また、エコウィル、エコジョーズは、エネファームに比べると導入金額が安価なので、電気とガスの両方をよく使うという家庭には向いています。とくにエコジョーズは販売価格も安いので迷ったらこれを導入するべきでしょう。

そして、エコキュートはオール電化の家庭の給湯器はコレです。ガス代は不要になりますが、その分電気代が上がりますので、ZEH(ゼロエネルギー住宅)にはぴったりだと思います。

正直、どのエコ給湯器を選んでもZEHにすることは可能です。我が家はエコキュートを使っています。エコキュートを使っていて良かったこと、不満なことを書いてみました。こちらも良かったら見てください。

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