ZEHに最適な換気システム どうやって選ぶ?【24時間換気システムを比較】

ZEH住宅に、なぜ「常時換気できる換気設備」が必要なのか?実は、2003年(平成15年)7月施行の建築基準法で、常時換気できる換気設備の設置が義務付けられそうです。(シックハウス対策)また住宅の居室では、0.5回/時以上の24時間換気システムが必要になりました。もちろん、建て替え前の家には換気システムなんてありませんでしたが・・・・今のZEHの家にはもちろんついています。どうやって選べば良いのでしょうか?

ZEH住宅に なぜ常時換気設備が必要なのか?

そもそもZEHに関わらず、すべての建築物に、常時換気ができる設備の設置が義務づけられてます。ZEHだけ換気システムを特別に導入しないといけない!という訳ではありません。

ただ、ZEH(ゼロエネルギー住宅)には、換気設備(24時間換気に係るもの)で熱交換型換気設備では、温度(顕熱)交換効率65%以上の熱交換型換気設備。熱交換型換気設備以外の設備では、比消費電力が0.4W/(㎥/h)もしくは、0.2W/(㎥/h)以下であること。

必須条件であり、換気装置(本体)及び、その据付け工事費のみ補助対象とする。

平成30年度のZEHの補助金の要件に明記されています。

常時換気設備がなぜ必要になったかと言うと、その昔、シックハウス症候群が大きな社会問題になっており、このシックハウス対策のために建築基準法が改正されたそうです。

まず、シックハウス症候群の原因になる、「ホルムアルデヒド」が含まれる材料の使用区分を制限し、防蟻剤・木材保存剤に含まれ有機リン系の殺虫剤にも使われる、「クロルピリホス」の使用を禁止したそうです。

さらに、ホルムアルデヒドを発散する建材を全く使用しなくても、床や建材から微量ではあるものの発散していると判ったため、すべての建築物に、常時換気ができる設備の設置が義務づけられたそうです。

結果的に住宅の居室では、0.5回/時以上の24時間換気システムが必要になったそうなのです。

参照:日本電機工業会 建築基準法に基づくシックハウス対策について

トイレや浴室に換気扇ついてるじゃん!と私も思ったのですが、種類も役割も違ってました。トイレや浴室、キッチンにある換気扇は「局所換気」と言い、常時換気設備とは別物なんですね。そして居室といって部屋に付ける必要があると・・・

常時換気設備は、空気の入れ替えを目的にしたものですが、空気の流れをコントロールして計画的に24時間換気を行うには、空気の入口(給気)を設定して、空気の通り道をつくることがポイントの様です。

新鮮な空気を家全体に届けるには、空気の入口と出口それぞれに換気設備をしっかり設置することが大切だというのです。

常時換気設備(24時間換気システム)とは?

「24時間換気システム」は、2003年(平成15年)に建築基準法が改正され、設置が義務化されました。「24時間換気システム」は3種類あるのですが、種類については建てるメーカーさんでほぼ決まってくると思われます。

いままでの換気ではダメなの?

今までのキッチン、トイレ、浴室の換気だけでは不十分です。

これからはリビングや子供部屋、寝室等、全居室に24時間常時換気設備(24時間換気システム)が必要です。 

とくに高気密なZEHの家は、強制換気するくらいじゃないといけない!ので、法律うんぬん置いといても、換気は必須です。

換気扇のかわりに空気清浄機ではいけないのか?

あと、私が勘違いしたので書きますが、当時、換気扇のかわりに空気清浄機ではいけないのか?気になりました。同じように考えた方も多少はいるのではないでしょうか?

換気扇と空気清浄機の違いは?

「換気扇」は、人間の呼吸で発生する二酸化炭素を屋外の酸素と交換する働きをします。建物においては、屋外から新鮮な空気を取り入れて、室内の汚れた空気を出すという内外の空気の入れ換えを行います。

「空気清浄機」は室内の空気を機械に取り込んで、フィルターなどで濾(ろ)過して室内に戻しています。 空気清浄機の集塵(じん)方式には、フィルターでチリやホコリを取る方式や、チリやホコリに静電気を帯電させて電気的に集塵する方式、それらの組合せなどの方式があります。 付加機能としては、活性炭などの吸着材を脱臭フィルターとして使って臭い成分をとるものや、触媒を使って臭い成分を分解するものもあります。 日本電機工業会

と、換気扇と空気清浄機は根本的に考え方も役割も違うのです。

常時換気設備のメリットは?

常時換気設備のメリットは?
1.結露対策になる
2.カビ/ダニの発生を抑制
3.外部の空気(花粉など)を抑制
4.CO2濃度をコントロール
5.省エネルギー(効率よく熱を入れ替える)
デメリットも気になりますね。共通で言えるのは、冷暖房のロスが多少発生し、フィルターなどの交換があることでしょうか・・・・・。調べるとそれぞれでデメリットがあるので、こちらは後からお話します。
24時間換気システムには、大きく分けて「個別換気」と「セントラル換気」がある。
「個別換気」(ダクトレス)とは?
各部屋にの換気扇で効率的に常時換気を行うシステム。ダクトレスタイプ。
「セントラル換気」とは?
天井裏に取り付けた換気ユニットとダクトで家全体の換気を行うシステム。ダクトを使用して給気をするため、騒音の侵入も少ない。
また、換気システムの換気形式には、大きく分けて3つのタイプがあります。
また換気は、羽根が付いた換気扇で換気を行いますが、羽根を給気側に使うか排気側に使うかで「第1種(強制給排気型)」・「第2種(強制給気型)」・「第3種(強制排気型)」に分かれます。

「第1種換気方式」

外気を取り込む給気口と空気を排出する排気口の両方を、換気扇などの機械によって強制的に行うもの。給排気ともに機械で行う換気なので計画的な換気が可能です。安定して新鮮な空気を入れながら、汚れた空気を排出してくれます。

第1種換気は、最も確実な給排気が行える換気システムですが、3種類の中で最もランニングコストが高くなる傾向があります。

「第2種換気方式」

機械によって給気を行ない、排気口などから自然に排気を行う。

建物の気密性能によっては、室内の湿気が壁の内側へ侵入し、内部結露が起こる可能性もあるそうです。寒冷地で第2種換気を設置する場合は注意が必要です。

「第3種換気方式」

給気口から自然に給気し、排気を機械換気によって強制的に行う。

排気が機械換気のため、湿気が壁内に侵入しにくいこと。また高気密住宅では、低コストで計画的な換気が可能、反対に低気密住宅の場合は、計画的に換気ができない。

部屋が換気設備によって多少減圧されるので、天井裏などから空気が流入することがあるそうです。その場合は、天井裏にも換気設備が必要なこともあるようです。

第3種換気は、最もランニングコストが安く結露にも強いと言われますが、各部屋に給気口が必要で、また暖房費が結構かかるそうです。寒冷期に若干不向きで、寒冷地にも不向きだと思います。

では、寒冷地や冷暖房時にも効果が減らない換気扇ってあるのでしょうか?

冷暖房効果が損なわれにくい換気扇は?

参照:日本電機工業会

一般的な換気とは、室内の汚れた空気を排出(排気)し、外の新鮮な空気の取り入れ(給気)が行われることを指します。

しかし換気をすることで、冷暖房時に換気をすると、せっかく適温になった部屋の涼しさや暖かさが逃げてしまいます。これを解消する換気扇は「第1種換気方式」に属す”熱交換形換気扇”が良いようです。

熱交換形換気扇とは?

熱交換形換気扇は、熱交換器の働きで、換気(排気)で逃げる熱エネルギーを回収し、外気を室温に近づけて部屋に取り込むことを、1台で行ってくれる、同時給排気式の換気扇です。

室内の温度に近づけて取り入れる事が可能で、冷暖房のロスが少ないのがメリットです。

参考:Panasonic 住まいの設備と建材

熱交換形換気扇は、冬場の冷気の侵入を抑え、肌寒さを感じにくい状態を維持して換気してくれるため、居間、寝室などに個別に使用するとか、住宅全体の集中換気として使用すると良さそうです。

デメリットは、換気扇自体の費用が高く、ダクトを伸ばす可能性があるので、コストが掛かることでしょうか・・・

また「熱交換形換気扇」には「全熱交換式」と「顕熱交換式」というものがある模様。

熱交換形換気扇
「全熱交換式」は、温度(顕熱)と一緒に湿度(潜熱)も交換
「顕熱交換式」は、温度(顕熱)のみを交換

熱交換形換気扇のメリットは?

省エネで冷暖房効果が損なわれない
同時給排気式で、建物の気密に関係なく確実に換気
熱交換器が遮音性能も発揮する

では、色々見てきましたが、ZEHに向いてる換気扇って何でしょう?

ZEHに向いた換気システムは?

ここまで見ていくと、高性能な換気システムは「第1種換気方式」の”熱交換形換気扇”になると思いますが、地域によってやはり導入設備は変わってきます。

私は金額さえ許せば、「第1種換気方式」の”熱交換形換気扇”にすると思いますが、5・6・7地域であれば、「第2種換気方式」「第3種換気方式」でも問題なくクリアすると思います。

ここまで見たり調べても、素人では最終判断は難しいですよね。

先に記載したように、

ZEH(ゼロエネルギー住宅)には、換気設備(24時間換気に係るもの)で熱交換型換気設備では、温度(顕熱)交換効率65%以上の熱交換型換気設備。熱交換型換気設備以外の設備では、比消費電力が0.4W/(㎥/h)もしくは、0.2W/(㎥/h)以下であることは、

必須条件であり、換気装置(本体)及び、その据付け工事費のみ補助対象とする。

と、平成30年度のZEHの補助金の要件には明記されています。

これをクリアしないといけません。

 

参考:Panasonic 住まいの設備と建材

次世代省エネルギー基準では全国を8地域に分けていて、市町村レベルで細かく分けられています。この地域別でこの機器を導入すると良いよなど、ZEHを推進するメーカーの集まった団体がWEBに載せてくれています。

これを参考にするのも良いと思います。ピンポイントで商品名書いてくれていますので、参考までに。

https://sumai.panasonic.jp/outside/hitroof/zeh/160401_ZEH_jyu.pdf

http://www.kensankyo.org/download/

 

さいごに

換気設備を設計当時に勉強しませんでしたが、個人的にはパナホームの換気システムがとても気に入ったのは覚えています。実際、その換気がかなり気に入ってさいごの最後まで、パナホームにしようか迷いました。なぜか換気が一番気に入ったんです。

今の家の換気が最高か?と聞かれるとうーんと唸ってしまいそうですが、ハウスメーカーや工務店ごとでもちろん違うし、独自の換気システムも多いし、面白いですね。

換気の大まかなところを理解するだけでも、ハウスメーカーと話や見積もり、打ち合わせもスムーズにいきますから・・・

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遂に、消費税も10%になりました。
実は、私たちも5年前の8%になったばかりの4月に家を建てようと動き始め、結果的にZEHの家に辿り着きました。

多くの人にとって家づくりは一生に1度あるかないかではないですよね?
私たちも初めての家づくりなのに相談するところもない。転勤族で知り合いも少ない。
そんな感じで家づくりがスタートしました。

もし、今、経験者として言わせてもらうなら、1度くらいは中立な立場の人に相談するのをお勧めします。
ぜひ、「私たちの失敗談」を読んでみてください。

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