2015年2月に経済産業省が示した、太陽光発電の買取価格は、事業用(出力10kW以上)で1kWhあたり29円(税抜)、7月からは27円(税抜)になった。これからどうなるんだろう。
「再生可能エネルギー固定価格買取制度に基づく2015年度の価格案」によって決まったことだが、2012年7月の制度導入当初の「買取価格40円」に比べると13円も減額しました。
オール電化にしないと、買取制度の対象にならないのか?
私も、はじめ勘違いしてたのですが、オール電化であるかどうかは、買取制度の対象となるかどうかとは関係ありません。
これからどうなるのか?
固定買取制度に関しては、初年度の買取価格が高すぎたとは言えます。そこから13円も下がると、制度自体が下火になるかも?と思いますが、ZEH(ゼロエネルギー住宅)などにも必要となることから、中長期的には日陰の住宅を除いて、国内のほとんどの住宅で導入が進むと言われています。
近年は普及が進んだことにより、太陽光発電システムの設置価格が安くなり、工事業者の技術の向上、住宅メーカーの販促サービスも実績も増え、これから載せる人にも、まだまだメリットはありそうです。
実際、制度導入当初に太陽光発電システムを載せた方は、大容量ではなく3kWほどのモノを載せる家が多かったように感じます。しかし近年は、我が家もそうなのですが10kW超を載せている家も多いですね。電車やドライブしている際も、とても気になるようになりました。
ただ、2015年のZEH(ゼロエネルギー住宅)では、10kW以上のパネルはダメでした。2016年がどうなるのかは不明です。注意してください。
では、は肝心の固定買い取り制度について。現在は、皆さんご存知の通り、固定買い取り制度です。
固定価格買い取り制度について
FIT(固定価格買い取り制度)では、エネルギーの売り渡し価格(タリフ)を法律で決定する。
再生可能エネルギー源の事業者は、タリフを決まった期間(10・20年など)にわたり、法律で保証される(これが「固定価格買取制度」とも呼ばれる理由である)
この価格は、普及量や生産コストの推移に従って定期的に見直され、計画的に逓減していくが、既に導入された分についてはこの見直しは影響しない。
これだけでも、リスクの少ない設備投資と言えますよね。
念のため、経済産業省資源エネルギー庁 よくある質問はこちら:
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/faq.html
しかし、こうは国が言っていても、どうなるかは本当にわかりません。私たちも導入の際、本当に固定買い取りの10年・20年が続くのか?悩みました。だって憲法だって、最悪変更も可能ですよ!絶対はないですからね。
でも、国がこう言ってる以上は、信じるしかないでしょう。10年位は大丈夫とみてます。20年はもしかしたら怪しいかもしれませんよね。
買取期間が終了したあとはどうなる?
国による価格の規制が終了しますので、買取期間の終了後又は終了が近づいた時点で発電事業者と電気事業者との合意により買取価格を決めていただくことになります。
出典:経済産業省資源エネルギー庁よくある質問より
特定規模電気事業者(新電力)や特定電気事業者へ売電可能か?
今年、2016年から始まる、電力の自由化。これはどうなるのか?
売電を行うことは可能です。ただし、新電力や特定電気事業者の供給先の需要規模等といった要因により買取りが困難である場合もあるため、個別に新電力や特定電気事業者にご相談ください。
出典:経済産業省資源エネルギー庁よくある質問より
売ることは可能だけど、10年・20年の固定買い取り契約を一度切ると、もう適応されないので注意が必要。
事業用・個人用の太陽光発電システムの違い
皆さんも聞いたことあると思います。事業用・個人用の違いは何なのでしょうか?
一応、下記のように区別されています。
- 10kW以下 個人用
- 10kW超 法人・事業用
10kW以上の太陽光発電設備が、一般的に「非住宅用」と呼ばれてるのは、ただ単に、10kW以上載せる個人宅を想定していなかった為、そういう呼び方をしてるんです。
あくまでも設備の容量で、金額や期間は決まります。
10kW以上の設備について
全量買い取りが可能なのは、10kW以上の設備だけです。
10kW以上の太陽光は、電気の供給方法の違い(全量配線/余剰配線)や蓄電池等の併設の有無にかかわらず、同一金額です。
ちなみに我が家は、10kW以上の余剰買取です。余剰でも買取価格は同じで、20年間買い取ってくれます。(今のところ)
下記は27年度のものです。
これを見てもわかりますが、売電できる期間が違います。10kW以上なら、売電価格が27円(税抜き)ですが、20年間も売ることが可能です。
政府は、なぜ10kW未満は 余剰買い取りしかないのか?
以下の理由から住宅用太陽光(10kW 未満)は余剰買取方式となったようです。
出典:経済産業省資源エネルギー庁よくある質問より
余剰買取方式の場合、自己消費分を減少させることにより、太陽光発電の売電量が増やせるため、省エネルギーの促進効果がある。
余剰買取と全量買取の買取価格が同じになる場合、太陽光発電による発電量が増えないにも関わらず、再エネ賦課金の負担が増えることとなる。
余剰買取方式の場合、売電分が6割という前提で計算され、平成24年度の場合、42円/kWhという調達価格になっているが、全量買取方式の場合、発電分を100%売電する前提で価格設定を行うため、調達価格が下がる(試算値で、34 円/kWh)こととなり、消費者にとって、導入のディスインセンティブになるおそれがある。
全量買取方式の場合、全発電量がいったん電力系統に逆潮流してくるため、太陽光発電による発電量が同じままでも、電力系統への負担は増えることとなる。このため、系統整備費用が増加する。
変動買い取り制に移行する?
これから、もしかしたら固定買い取りではなく、変動買い取りになるかもしれないと言われております。ドイツなどでは、太陽光を対象に入札方式を実施しています。
政府は早ければ、この2016年度の買取価格から新方式を導入すると言われてます。しかし当面は複数年の買取価格を低減させる方式を採用し、状況を見ながら「FIP」へ移行していく見通しだと言います。
「FIP(Feed-In-Premium)」と呼ばれ、卸市場で取引される電力の平均価格にプレミアムを上乗せするものです。
基本的に、一度契約した売電価格の見直しはしないが、これからの契約は締めていくということでしょう。
伸び悩む他の再生可能エネルギー
再生可能エネルギーの電力を買い取る制度は、太陽光発電のみ拡大。一方で風力・地熱・バイオマスの建設は、運転開始までの期間が長くなって開発コストが掛かり、太陽光以外の再生可能エネルギーは伸び悩んでいる。
国としては、他の再生可能エネルギーも推し進めないとならない。太陽光は300%の伸びに対し、風力、地熱、バイオマスは3年かけても1%ほどしか伸びていない。
とにかく、こういった理由から、太陽光は、これ以上要らないということだと理解できます。
今年2016年の動向から、目が離せません!