最初に、太陽光発電は、ZEH(ゼロエネルギー住宅)の補助金申請をするなら、ほぼ必須!全量買い取りはダメ。余剰買取のみOK。ZEH住宅以外でも参考になる、太陽光発電の選び方を考えてみました。
太陽光発電システムとはどんなものか?
太陽のエネルギーを電気に変換
太陽光発電システムとは、太陽の光から、家庭で使える電気を作り出すシステムのこと。
太陽の光エネルギーを受けて、ソーラーパネル(太陽電池)が発電した直流電力を、パワーコンディショナ(パワコン)により電力会社と同じ交流電力に変換し、家庭内のさまざまな家電製品に電気を供給します。
ソーラーパネルの耐久年数は?
故障しない限り20年以上の長期にわたって使い続けることが可能です。
表面は強化ガラスで、カラスがつついたり、風で飛んできた木などが当たった程度では傷もつきません。しかし、ソーラーパネルは経年劣化があるため、おおよそ年率1%程度の発電効率低下が発生します。
また、表面が一部割れたりしても、その不良箇所を迂回して電気が流れるように設計され、発電量がゼロにはならない配慮がされています。
ただし交換が必要な部品もある
パワーコンディショナ(パワコン)と売電・買電用のメーターです。
パワーコンディショナは、10-15年で交換するのが一般的です。電気が内部を流れるので、寿命での交換だと思ってください。値段の目安は20万円位ですが、太陽光発電の普及により価格は徐々に下がってきています。そのため、次回の交換する時は、10万円以下になっているのではないかと予想されています。
また、売電・買電用のメーターを交換する必要が出ます。これは、計量法という法律によって一定期間での交換が決められているからです。このメーターは管轄の電力会社によって異なり、一部の電力は個人で負担する必要があります。
補償について
ソーラーパネルの発電能力が公称出力の○%を下回ると、メーカーが機器を無償で交換してくれたり、落雷や、台風といった自然災害による破損は補償の対象になっているメーカーがほとんどです。火災においても、火災保険で支払われなかった残額は支払い対象のことも多いです。
この時点で、火災保険・地震保険でも補償されるかは、調べておきましょう。
機器の構成部品は?
ソーラーパネル、接続箱、パワーコンディショナ、分電盤、電力量計(売電用・買電用)から構成されます。
どんな種類があるの?
大きく分類すると、ケイ素(シリコン)を原料とするシリコン系と、シリコンを使わない化合物系があり、住宅用では、単結晶型シリコン系パネル、産業用では、多結晶型シリコン系パネルが好まれる傾向があります。
効率=サイズ・種類の組み合わせ ですが、設置場所の向きとの組み合わせで考えていく必要があります。
自分の住んでいる都道府県の日照時間や、パネルメーカーのHPを参考にして決めましょう。
太陽光パネルの形はいろいろ
ソーラーパネルは、寄棟や切妻様々な屋根に対応可能。片流れ屋根の開発などにより、南側へ向く屋根面積を増やして、従来よりもモジュールの設置面積を広げることができるようになりました。
太陽電池と屋根材を一体化させたタイプもあります。その分の屋根材が不要で、コスト削減も図れ、外観もすっきりするというメリットもあります。
カーポートの屋根を利用する製品もあり、住宅本体の美観を損なわず、施工やメンテナンスが楽なのが特徴です。
太陽光発電システムの実際の使い方は?
太陽光の発電から使うまで
太陽光エネルギーを電気に変換し、発電した直流電力を接続箱で統合し、パワーコンディショナで、家庭で使う交流電力に変換します。
分電盤で住宅内で使用する電気を分配し使用可能です。
※余った電気を電力会社に売却する場合、電力量計は「売電用」と「買電用」の2種類が必要です。
非常時にも利用可能
太陽光発電システムは、停電時でも天気の良い昼間であれば、「自立運転機能」によって電気を利用することが可能です。最近の太陽光発電システムでは、最大1,500W程度利用出来るのシステムが大半です。
発電状況がリアルタイムで見える
HEMSを使って、発電状況や消費した電力がリアルタイムに表示されます。
HEMSとは:家電や電気設備とつないで、電気やガスなどの使用量をモニター画面などで「見える化」したり、家電機器を「自動制御」する機器。
電気の使いすぎを知らせたり、1日・1週間・1カ月と単位ごと、部屋ごとも管理できます。節約を意識できるような機能もあり便利です。
「数値で表されるので、節約の意識が高まった」「子供がエネルギーに興味を持った」などの声も聞かれ、太陽光発電システムは、私たちの意識を変えるきっかけになっています。
金額の目安やローンは?
ソーラーパネル1kWあたり、40~50万円するものが多かったのですが、最近では20-30万円以下のタイプも珍しくありません。
戸建て住宅の目安で4kW程度とすると、設置費用総額は160~200万円前後。
設置に、補助金制度を利用できる県・市などの自治体がある。補助金額、条件や募集期間なども異なるので確認しましょう。
金融機関では、優遇金利の「ソーラーローン」なんかもあります。
設置の際に大事なこと
太陽光発電システムは、晴天に比べ、曇や雨の日には発電量は減りますし、モジュール上に雪が積もると発電することはできません。
積水化学工業株式会社(セキスイハイム)は先日、「スマートパワーステーションN(エヌ)」を2016年1月14日に発表しました。完全な雪国仕様で、雪下ろし不要とも謳ってます。
これまで雪国はZEHに不利だと言われてきましたが、この商品の登場で雪国でのZEHも普及するのか?期待しちゃいますね。
参考:http://www.sekisuiheim.com/info/press/20160114.pdf
もちろん地域にも差が出ます。例えば、私たちの家は8月が一年で一番発電しました。
設置の際に大事なことは?
設置する場所の向きや周辺環境も含めた立地を考えることです。現在だけでなく、将来的な変化も考えてこの樹木は伸びるかとか?マンションが建ったら日陰になるとか?考えて決めましょう。
ただ、一番大事なのは、向きと日照時間です。また費用対効果を計算する必要があります。現地に足繁く通い、時間ごと考えるといいですね。我が家は建て替えのため、イメージしやすかったのですが、これはとても重要なことです。現地をよくみましょう。
施工を依頼する際は?
見積書は、シミュレーション表(試算表など)で比較すること。
関連機器、 設置の架台、電気・設置工事費などの費用が必要です。早めに見積もりを出してもらいましょう。
この3つを確認しましょう
- どの程度の発電が見込めるのか
- 電気代がどのくらい安くなるのか
- 売電できるのか
また、ハウスメーカーによっては屋根と一体化したパネルを載せることも可能です。このメリットは軽くなることや、見た目がキレイなことです。
最後に、プランニングは慎重に!
太陽光パネルを載せたら発電して、売電出来て・・・と簡単に考えがちですが、早い段階でシュミレーションが必要です。また、ローンの事もあります。
いろいろ考えることが多くて大変ですが、これはZEH住宅にするかしないかにも関わる事だし、売電すれば、売電分充当し、ローンの負担も軽くなることもあります。
家を建てたら、これから将来、誰かどの時間帯に居るのかも考え、1日の電気消費量も考えてみましょう。
個々の詳しい内容については、また後日記事にする予定です。