今、国が進めているのはZEH(ゼロエネルギー住宅)の普及です。東日本大震災以降、エネルギーの環境は大きく変わってきています。最近では、原発分の電力量を、節電と再生可能エネルギーでカバーできているとも聞きますが私は半信半疑です。でも、間違いなくエネルギー改革は始まっていると思います。2018年以降に新築予定の方は、この未来の流れをしっかり見て補助金や優遇制度を活用しないともったいないです!
これから2030年までエネルギー改革が進む?
東日本大震災以降、エネルギー事情は変わった
東日本大震災以降、エネルギー事情は変わってきています。原子力発電が止まり、供給が足りなくなりました。そして火力発電これまで以上に使うことになりました。そもそも火力発電は化石燃料です。化石燃料は燃料代が上がっていますし、CO2排出量が増えることになります。
そこで再生可能エネルギーによる発電量を増やそうと考え始め、太陽光発電や風力発電の設置が進みました。
今では、原発で発電していた電力分を、節電と再生可能エネルギーで何とかカバーしていると新聞の記事で読みましたが、でも再生可能エネルギーは、天候に影響されやすく供給が不安定です。
地球温暖化を抑制するため、COP21パリ協定 発効
そんな中、地球温暖化を抑制するため、COP21パリ協定が発効されました。また国ごとに温室効果ガスの削減目標も設定しました。
国も、段階的にエネルギー政策を実施
・2020年にZEH標準化
・2030年平均ZEH化の政策目標
・2030年、温室効果ガス2013年度比26%削減
・2050年、温室効果ガス2013年度比80%削減
この様に国は、エネルギー問題解決のために、これから2030年に向けて温室効果ガス2013年度比26%削減を目指します。そして、段階的にエネルギー政策が実施されそうです。
以前参加したセミナーですが、なぜ今ZEHなのか?解説がありました。
この先、近い未来では、全家庭にスマートメーターが設置されHEMSが普及、そして今ある電力会社の発送電分離をし、電力の流れを供給側・需要側の両方から制御し、最適化できる送電網・・・いわゆるスマートグリッドが進みそうです。
発送電分離を行うと、送配電網を所有していなくても公平に送配電網を利用することができます。発電や小売り事業が活性化し、電気代は安くなるかもしれません。
また、新築住宅は2020年以降、すべて「省エネ基準」を原則義務化します。そのための環境づくりが進んでいるのが、今、 2018年だと思います。
例えばこういうサービスが増えてきています。
2020年までに一般住宅でも「省エネ基準」レベルを義務化
2017年4月1日に施行された建築物省エネ法の規制措置では、2000平方メートル以上の非住宅(ビルなど)に省エネルギー基準への適合を義務づけました。また300平方メートル以上(住宅を含む)の建築物に届出義務を課しました。
現在は、”300平方メートル未満の建築物”は、努力義務のままですが、実は、2020年に改正省エネ基準への適合が原則義務化される予定となっています。そうなると、基準を満たさない住宅は建てることはできないのでは?怖いですね。
そして心配なのは、2020年に義務化するということは、現段階では「省エネ基準」レベルに満たさなくても問題ないわけですよ。今、何も考えずに家を建てて、その後、万が一家を手放すことになったら?
たぶん、資産価値は・・・下がるでしょうね。だからこそ、今家を建てるならZEHなのです!!
改正省エネルギー基準は?
今までは住宅の気密性・断熱性の向上を基本としてきましたが、家庭の設備を使って消費されるエネルギーが増加したため変わったようです。
・評価対象の住宅において、地域区分や床面積等の共通条件のもと、実際の建物の設計仕様で算定した設計一次エネルギー消費量が、基準仕様(平成25年基準適合の外皮と平成24年時の標準的な設備)で算定した基準一次エネルギー消費量以下となることを基本とします。
・ 一次エネルギー消費量は、「暖冷房設備」、「換気設備」、「照明設備」、「給湯設備」、「家電調理等」のエネルギー消費量を合計して算出します。また、エネルギー利用効率化設備(太陽光発電設備やコ ージェネレーション設備)による発電量は、エネルギー削減量として差し引くことができます。
と、このように、建てようとする住宅の一次エネルギー消費量(設計一次エネルギー消費量)が、基準値(基準一次エネルギー消費量)を越えなければ適合しているという考え方みたいです。
詳細については私には説明できませんので、ご自身で見て欲しいのですが・・・
従来の「外皮の熱性能」のみの基準から、「一次エネルギー消費量」エアコン、照明、換気設備、給湯設備、家電など含めた建物全体の省エネルギー性能を評価する基準に改正された様ですが、ここまでやるならZEH(ゼロエネルギー住宅)にするのも、さほど大変ではない気がします。であれば、私はZEH(ゼロエネルギー住宅)をお勧めします!!
なぜお勧めなのかはいろいろ理由がありますが、健康にも良いし、我慢しない省エネで快適に暮らしていますよ。詳しくはこちら
電気代についてもメリットがあります。我が家の電気代比較です。
詳しくはこちらも
最終目標はLCCM住宅?これからはZEHが進む!!
そこで国は、LCCM住宅 (生涯CO2排出量を削減する家)を最終目標に、低炭素住宅化を推進していきそうです。
2020年には300平方メートル未満の新築にも「省エネ基準」を原則義務化し、新築戸建ての50%がZEH(ゼロエネルギー住宅)になりそうです。
建築から廃棄までの一生涯のCO2収支をマイナスにする家
再生可能エネルギー量が、使うエネルギー量よりも大きいか、概ね同じの家
★ZEH+の追加要件★
①外皮性能のさらなる強化
②高度エネルギーマネジメント
③電気自動車を活用した自家消費可能な家
建物の一次エネルギー消費量が、省エネ基準に比べて-10%以上となる家。省エネ基準以上の断熱性能やCO2排出を抑える設備や処置などが必要。
外皮の断熱性能に加え、一次エネルギー消費量が省エネ基準以下になる家
2018年以降に住宅を建てる場合には?
ということで、一般住宅で、省エネ基準レベル以上の家を建てないといけないことになりますが、「年間150戸以上の建売戸建住宅を供給する事業者」(トップランナー)は、すでにほとんどが対応済みとのこと、とりあえず一安心です。
ただし、念のためにこれから注文住宅を建てる場合は、①改正省エネ基準に沿った性能にしてもらうこと、②新築住宅を購入する際は、改正省エネ基準に適合しているか?をよく確認することは忘れないようにしないとですね。
また、改正省エネ基準に沿った家を考えるとき、まずは、外皮性能を上げる必要があります。この外皮性能って、断熱材や窓の種類で大きく変わるんです。
外皮性能は、断熱材と窓で大きく変わる
断熱材は、内部に空気を閉じ込めていてその空気が熱を伝えづらくする役割を果たしています。断熱材は、無機繊維系と木質繊維系と、発泡プラスチック系に分類できます。
また窓もサッシの素材やガラスの枚数、ガラスの中に気体が封入されているものもあります。
専門家ではないので、細かい説明は端折りますが、外皮性能を良くするためには、断熱性能や遮熱性に優れた断熱材や窓を選ぶことが大事です。
まずはこの外皮性能を上げることが重要で、そのあとに、エアコン、照明、換気設備、給湯設備などを導入し、太陽光パネルを載せて、電気を作るとこれからの家が出来上がる訳です。
ちなみに、外皮性能の数値が良いと、夏の暑い時期でもエアコンなしで暮らせちゃうかもしれません。そのくらい、外皮性能って大事だし、家を作るときに一番気にしないといけないところです。
こういう家が標準仕様になってくるので、もはやZEHの家も標準に近いと勝手に思っています。
ZEHや低炭素住宅だと税制優遇や補助金もあります。話が長くなったので次回に続きを書こうと思います。
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