4/8に開催されたZEH説明会(東京会場)のレポートpart2です。
前回のpart1では、28年度のZEH概要や公募資料に記載されていないけど、説明会の冒頭にて案内があった内容を中心に紹介しました。
part2では、公募資料に記載はあるけど、実は今年度からの取り組みや昨年度と変更になっている部分を中心に紹介していきます。
平成28年度ZEH公募の主なポイント
昨年度との変更ポイントや今年度に新たに始まった内容について、SIIの「平成28年度 住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業費補助金(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業)」から抜粋して紹介していきます。
NEW:地域3に対するUA値基準が変更に
地域3にあたる、青森県・岩手県・秋田県の高断熱外皮は、昨年度までUA値での基準が0.4以下となっていましたが、今年から0.5以下に変更となりました。
これはかなりの朗報ですね、もちろんUA値が0.4の方が住宅性能は上がりますが、その分コストもかかってしまうので選択の幅が広がったことにより、建てやすくなると思います。
NEW:エネルギー計測装置の要件:「グレードB加点要件」とは?
エネルギー計測装置(HEMS)は、ZEH対応住宅の必須項目の一つです。
HEMSが必要であること自体はこれまでと一緒なのですが、平成28年度からは新たに「グレードB加点要件」という内容が追加されました。
「加点要件」というのは、内容をクリアすればそれだけ評価ポイントが加算され、ZEH審査に通りやすくなるということです。
「グレードB加点要件」をクリアすると、プラス5ポイントとなるようです。
グレードB加点要件をクリアするには、下記の3項目を「グレードA必須要件」に加えて3つの項目をクリアする必要があります。
- 冷暖房設備の電力使用量
- 照明設備の電力使用量
- 換気設備の電力使用量
グレードB加点要件の概要については、以下となります。
1.冷暖房設備の電力使用量
「冷暖房設備の電力使用量」については、「グレードA必須要件」及び「グレードB加点要件」とも○となっています。しかし、それぞれに注意事項があります。
- グレードA必須要件:※3 「主たる居室」に設置する暖冷房設備の電力使用量の計測を取得することができること。
- グレードB加点要件:※7 住宅に設置した暖冷房設備の電力使用量の計測を取得することができること。
両要件の違いは、「主たる住居」と「住宅に設置した」です。
「グレードA必須要件」では、ZEH必須要件である「主たる居室」に設置された冷暖房設備(エアコン)の電気使用量のみ計測出来れば要件を満たすことが出来ます。
しかし、「グレードB加点要件」については、住宅に設置しているすべてのエアコンの電気使用量を、独立で見える化する必要があります。
2.照明設備の電力使用量
説明会では「グレードB加点要件」の中で、「照明設備の電力使用量」の計測について質疑応答時にも質問が出ました。質疑内容は、※8の注意事項に関してです。
※8:住宅に設置した照明設備の電力使用量の計測ができること。
質問に上がった理由として、この項目が「グレードB加点要件」に求められる一番難しい内容と思われるからです。通常、居室等の照明は、壁のコンセントと合わせて配線することが一般的なようです。
私も住宅内の配線は、詳しくないのですが、この各部屋に設置する照明等の電力使用量を独立して計測する必要があるようです。
照明の電力を独立して計測するには、配線も独立して実施する必要があります、しかも住宅に設置しているすべての照明が対象となります。
ブレーカが落ちた時のことを思い出してもらうと分かりやすいと思います。
一般的な住宅でブレーカが落ちた場合、部屋の電力がまるごと落ちます。照明や壁コンセントの電力が一緒に落ちます。
しかし、各照明の電力が測定出来るように配線を独立しておけば、ブレーカも独立となるため、同時に落ちることはありません。
ただ、その分配線費用もかかるため、「ブレードB加点要件」をクリアするのに一番ハードルが高いと思われるのがこの「照明設備の電力使用量」になるでしょう。
3.換気設備の電力使用量
ZEH住宅には、24時間換気システムの導入が必須となります。
「グレードA必須要件」では、この換気システムの電力使用量を計測(見える化)出来るようにする必要はありません。しかし、加点対象となる「グレードB加点要件」をクリアするには、この換気システムも電力使用量を計測する必要があります。
必須:最短1週間のエネルギー計測が必要
「グレードB加点要件」にてZEH申請をした場合、事業完了時には、ZEHを申請した住宅に住居後、最短1週間のエネルギー計測が必要です。
住宅設備機器に付属する照明とは?
必ず導入しないといけない設備の一つに、照明があります。
最新の住宅は、基本的にLED照明を用いる場合が多いようです。導入自体は、必須なのですが、「※5 住宅設備機器に付属する照明を除く」となっています。
住宅設備機器に付属する照明を除くとあるのですが、これだけだと具体的なことが記載されていないので、分かりにくいと思います。
説明会では、居室(部屋)や廊下等を照らすことを目的せず、住宅設備機器と一体となっている照明が該当すると説明がありました。具体例として以下のような照明です。
- レンジフードに搭載された照明
- ユニットバス内の照明
- 洗面台の照明
まとめ
part2では、平成28年度の変更点やグレードBの加点要件について紹介しました。
加点要件は、審査に有利に働きますが、その分コストもかかります。
次回の記事は、加点要件や申請内容を変更する際、気を付ける点について説明があった内容を中心に紹介したいと思います。
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